濱田浩一郎:眞子内親王・小室圭氏の"残念な"選択

濱田浩一郎:眞子内親王・小室圭氏の"残念な"選択

幸せにはなっていただきたいが―

恐ろしいのは"小室バッシング"の皇室への波及

 秋篠宮家の長女・眞子内親王が小室圭さんと年内にご結婚される方向で調整が進められていることが明らかとなり、その準備のためか小室さんも近々帰国するという報道も一部でなされている。

 しかし、こちらもまた多くの報道が出ているように、小室さんの母親の元婚約者との金銭問題については、依然として解決には至っていないようだ。2021年4月、小室さん側から解決金の提案を受けた元婚約者は「私と佳代さん(筆者註=小室さん母親)の金銭問題と圭さんの結婚は別問題」としつつも、小室さん側との交渉を希望していたという。

 ところが、その後、4ヶ月以上経過しても、小室さん側から、何の説明もなかったというのだ。つまり、元婚約者側の言葉を信じるならば、金銭問題は未だ進展していないと言えよう。それにしても、この金銭問題がお二人のご結婚の「障害」の一つとなり、世論の反発を招いてきたことを思えば、なぜ、小室さん側は、素早く交渉のテーブルにつかないのだろうか。理解に苦しむところである。しかも解決金の提案は、小室さん側からのものではないか。
 さて、眞子内親王と小室さんとの結婚に関しては、ネット上では非難の声で溢れている。「年内結婚報道。 国民の皇室への信頼は地に落ちた感じ」「このような方々が皇室に関わるなら、皇室は敬えないし、国民に寄り添う意志がないのなら、一家揃って皇室を離脱して欲しい」と小室さんのみならず、皇室全体を非難するような論調も存在する。

 しかし、宮内庁は、皇室としての結納に当たる関連儀式を執り行わない方針で調整しているし、皇室を離れる際に国から支給される一時金(最大約1億5千万円)を眞子内親王は辞退する意向を示されているという。一時金を受け取ることへの批判が物凄く強かったことを思えば、それを辞退されるということは、皇室への風当たりを和らげることに繋がるので、私は歓迎したい。

 後は、ご結婚後、小室さんがどの程度、皇室に関係するかである。多くの国民の小室さんへの嫌悪感というものは、相当根強いものがあるように感じる。もっと早くに、金銭問題を解決し、会見するなどして誠意ある対応をしていれば、また反応は変わったようにも思うが、ことここに至ってしまったならば、仮に金銭問題を解決したとしても「今更」と突き放されてしまうように思う。よって、多くの国民の小室さんへの嫌悪感は、10年や20年、いやもしかしたら、一生ついてまわるかもしれない。そうした状態であるならば、今後、皇室もできるだけ、小室さんとの接点を薄くしたほうが良いであろう(それは小室さん自身が気を付けることでもある)。

 私がもっとも避けてほしいと思うのは、小室さんバッシングが皇室にまで向けられることだ。眞子内親王と小室さんは、米国で暮らすことになるようなので、そうそう直接の接点を持つことはない、と安心したいところだが、例えば海外メディア等への露出等で間接的に皇室の評価を下げる行為なども避けていただきたい。
濱田浩一郎:眞子内親王・小室圭氏の"残念な"選択

濱田浩一郎:眞子内親王・小室圭氏の"残念な"選択

ハリー&メーガン化は何としても避けていただきたい―

皇室の弥栄(いやさか)を妨げないでいただきたい

 それにしてもこのような事を書かなければいけないとは、本当に残念である。本来ならば、国民全体で祝福を申し上げるのが、あるべき姿だと思うからだ。しかるべき時に、小室さんが記者会見をして、金銭問題や将来設計に関することを含めて、しっかりと丁寧に説明し、記者からの質問にも答えていたならば、このようなことを書かずに済んだかもしれない。

 秋篠宮殿下も、これまで『それ相応の対応』が必要との課題を小室さんに求めてこられた。しかし、今回の解決金の問題を含めて、報道等を見る限りは、小室さんが問題の解決に向けて、しっかりと動いてきたようには見えない。また、秋篠宮殿下のみならず、天皇・皇后両陛下や上皇・上皇后両陛下も、眞子内親王と小室さんの行末を気にしておられると拝察する。もしかしたら、恐れ多くも、宸襟を悩ませている(陛下のお気持ちを悩ましている)可能性もあるわけだ。 こうした事は、小室さんが、もっと早く、先ほど言ったような行動(記者会見や金銭問題の解決)に向けて動いていれば、殆ど無かった可能性もある。そういった小室さんのこれまでの行動を見た限りでは、皇族と結婚するという覚悟が薄いように感じた。

 また、これまでの小室さんの行動を見た印象は、対応が遅く、母親の元婚約者の男性に対しても、誠実さが余り感じられないと思う。多くの人々も、そうした理由から、残念ながら、小室さんに良い印象を持っていないのではないか。  
 昨年末、私は『週刊現代』から眞子内親王と小室さんとのご結婚の件で取材を受けた(コメントの一部が同誌の2021年1月9・16日号に掲載されているので、関心のある方は御覧ください)。

 また、同誌には掲載されてはいないが、取材時には次のような問答もあった。「小室圭さんは(身を引く)結婚をやめるべきでしょうか?それとも眞子様との結婚に突き進むべきでしょうか」との記者からの問いに私は

 「相思相愛ならば、結婚することは良いと思います。しかし、その場合も、小室さんは記者会見を開いて、国民の疑惑を払拭するなど、何らかの行動は、その前にしたほうが良いと考えます。それでも、仮に国民の反発の声が収まらなければ、一億を超えるとも言われる一時金の辞退ということも視野に入れても良いのではと思います。これを辞退すれば、多くの人々の反発心もかなり緩和されるのではないでしょうか(仮に金銭問題が解決しても、一時金も辞退したほうが国民の反発は和らぐと思います。それほど小室さんに対する不信感や反発心は根深いものになっていると感じるのです)。
 こうした事を全くしないで結婚ということになれば、国民の怒りの声は、小室さんだけでなく、皇室にも向けられることになりかねません。そうした事は、絶対に避けなければならないと思います。ですので、問題は、眞子内親王と小室さんだけのことでは最早なくなっていると考えています」

 と答えていた。
濱田浩一郎:眞子内親王・小室圭氏の"残念な"選択

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皇室の弥栄(いやさか)だけは妨げないでいただきたい―
 眞子内親王と小室さんは今後、皇室とどう関わっていくのか。女性皇族が結婚後も皇室に残り、公務などを行う女性宮家制度が検討の対象となっていた。皇室の公務負担軽減策として考え出されたものであるが、この制度については、宮家の当主の配偶者(夫)やその子供に皇族の身分を与えるかなど、検討を要する点が多くある。女性宮家の子が将来、天皇になる可能性もあり、そうなるとそれは王朝の交代を意味する。私は、歴代天皇の血を引く男系男子による皇位継承を重視する立場であり、女性宮家制度には懐疑的だ。女性宮家制度には反対意見も多く、国会での審議も煮詰まっていない。

 その女性宮家に代わり「皇女」制度を創設しようとの動きもある。結婚後の皇族女子を特別職の国家公務員とし、公務を続けてもらう。そして公務員としての手当てを支給するというものだ。愛子内親王、眞子内親王、秋篠宮家の次女、佳子内親王が「皇女」に想定されているのだろうが、この制度が実施されるとなれば、眞子内親王がその第一号となる可能性もある。しかし特に、小室さんのことがあるので、辞退されることもありうる。また、眞子内親王はご結婚後は皇室を離脱されるので、一般国民である。一般国民には職業選択の自由が日本国憲法(第22条)で保障されている。自ら辞退されることも十分考えられるであろう。

 私はこれまで小室さん批判をしてきたが、眞子内親王とご結婚されるならば、是非、幸せな家庭を築いて欲しいと願う。それとともに、皇室との関わりは最小限にして欲しい。現状においては、小室さんが皇室と濃厚に関わることは、巡り巡って、必ずや、皇室バッシングに繋がるからだ。現状を鑑みて皇室の弥栄(いやさか)と眞子内親王の幸せを双方実現するのであれば、残念ではあるがそうしていただくほかないであろう。
濱田 浩一郎(はまだ こういちろう)
1983年、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員・姫路日ノ本短期大学講師・姫路獨協大学講師を歴任。現在、大阪観光大学観光学研究所客員研究員。現代社会の諸問題に歴史学を援用し迫り、解決策を提示する新進気鋭の研究者。著書に『日本人はこうして戦争をしてきた』、『日本会議・肯定論!』、『超口語訳 方丈記』など。

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