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総理大臣やるじゃん!

 はじめまして、ゆきぽよです。〝ギャルのカリスマ〟なんて呼ばれてます(笑)。最近、私のある発言が話題になりました。安倍首相が歌手・星野源さんとのコラボ動画をインスタグラムに投稿したじゃないですか。星野さんが自粛期間につくった曲「うちで踊ろう」のミュージックビデオと、安倍首相が家でくつろいでいる映像を合成させた動画です。ネットでは「無神経だ」「仕事しろ」と炎上しましたが、私はそう思わなかった。

 だから、TBSの「サンデー・ジャポン」に出演したとき、
「安倍さんのこの動画もすごい悪く言われてますけど。初めて見たときに、安倍さんなりに国民に寄り添おうとしたんだな、かわいいなと思って、ホッコリしたんです」
 とコメントしました。

 もちろん、安倍首相がコロナの対応で超忙しく、動画の撮影も仕事としてやっていることくらいわかります。それでも「くつろいでいる感じ」を出すために犬を抱いたり、慣れない動画撮影を頑張っている姿を思い浮かべたら、かわいいなって思ったんです(笑)。自分のお父さんや、おじいちゃんがやってたらかわいいじゃないですか。それと同じ感覚です。

 昭恵夫人が「もっとこうして!」って指示を出してるのかもしれないし。23歳の私より若い中高生は、インスタグラムやTikTokで短い動画を投稿し合っています。あの動画は、そういう若い子たちに家にいてもらうためにつくられたはず。

 だったら、目的は達成されたんじゃないかな。私のまわりの若い子たちにはウケてた。「総理大臣やるじゃん」「いいね!」って。若い子向けにつくられた動画を、オトナたちが目くじらを立てて騒がなくてもいいのにって思います。それに海外だったら王子や女王、大統領がパフォーマンスをすると「ナイス!」「OK!」って盛り上がる。今回の動画は、難しい政策がどうこうって話じゃないし、もう少し軽い気持ちで見たほうがいい。

「死んでまえ」

 みんなコロナで余裕がなくなって、安倍首相に「言いたい放題」になってる気がします。でも、「批判」と「言いたい放題」は違う。私だって、「こういうところがダメ」という批判ならいいけど、「ゆきぽよのこと見たくない」と言われても、そこからは何も生まれません。
 だから番組では、
「何でもかんでも安倍さんを批判するのって、かわいそうだな」
 とも言いました。

 そうしたらツイッターに、

〈誰が何と言おうと自由なら、僕は君を一生許さないし、子供や孫も「コロナの時に安倍のあほんだらを擁護したクソ女の子供や」と差別することを決めた。死んでまえ〉
 
 というリプライ(返信)が来たんです。しかも1回だけじゃない。怖すぎる! 
 とらえ方が違うだけなのに、ここまで粘着的に絡んて来る人がいてビックリ!

 でも、こういう人がいても安倍政権の支持率はあんまり変わってない。
 だから安倍首相のやることに「何でも反対」って人は、ほんの一握りなんだと思う。ただ声が大きいだけ。番組内でも安倍首相に対する見方はいろいろあるけど、若い人を中心に半分くらいの出演者は私の発言に頷(うなず)いてくれました。

10万円は助かる!

 コロナでモデルやタレントとしての仕事も減って、この先の生活が不安です。だから給付される10万円は、家賃に使うと決めました。とても助かります。現金の給付は最初、コロナで収入が減った世帯への30万円だったけど、一律の10万円になってよかったと思う。

 学生ではバイトがなくなって生活に困ってる人もいるし、そのほうが公平じゃないですか。30万円だったら、ギリギリもらえた家庭とそうじゃない家庭で格差が生まれるし、「あの家はもらってる!」って軋轢が生まれそう。

 それにいくらお金持ちの人だって、収入が減ったり、減るかもしれない人は多いはず。コロナに本気で注意しようと思ったのは、友達が2人、感染したから。濃厚接触者だったので、PCR検査を受けることができました。1人は自宅療養、もう1人は入院することに。どちらも軽症と聞いて安心したけど、電話したとき、吸える空気の量が少なくて苦しそうでした。常に溺れてる感覚みたい。

軽症でもそんなにツラいんだと知って、怖くなりました。入院した友達が言ってたのは、「病院にいても安心はできない」ということ。特効薬がないから、入院しても安静にしているだけで、特別な治療は受けられない。けっきょくは免疫力の勝負で、家にいるのと変わらないって。

 だから、「若いから感染しても大丈夫」と安心しすぎるのはダメ。感染しないようにすることが大事なんです。そんな思いで、日本医師会の「うつさない! うつらない!」が合言葉のキャンペーンサポーターになりました。俳優の斎藤工さんや、京都大学の山中伸弥iPS細胞研究所所長と一緒にYouTubeでメッセージを公開しています。ギャルたちには普段、「渋谷に集まれ!」って言ってるけど、今回は「渋谷に来るな!」と呼びかけました。私もそのあと、1回も渋谷に行ってません!

ギャルが引きこもりに変身

 日本には自粛しようにもできない人がいます。医療関係者やスーパー、コンビニの店員さん、タクシーや電車の運転手、そういう方々のことを思えば、むやみに遊びに行ったりはできない。オトナのなかには「ギャルたちは遊んでいるだろう」って思う人がいるかもしれないけど、それは偏見です。私のまわりの自粛ムードはすごいですよ。

 これまで毎日のように遊びほうけていたギャルが、緊急事態宣言が出た途端、一斉に引きこもりになりました(笑)。こっそり集まって騒いでいると思ったけど違った。私も仲間に偏見を持っていたんです。それに現代っ子はネット社会で生きてるから、外出しないことはそんなに苦じゃない。もう飲み会はみんなオンライン。楽だし、安いし、これでいいよねって言ってる。気づいたら、いつの間にかビールとスマホの絵文字を並べて、「オンライン飲み会」のマークも定着しました(笑)。

 だから渋谷だって一気に人が減ったんだと思う。むしろ新橋のオジサンたちのほうが、〝飲みたい欲〟をガマンできないもの。若者はオトナたちが思っているほどバカじゃない!コロナでこれまでの日常がどれだけ幸せだったか、わかった人も多いはず。私も海の家に行きたいし、カラオケもしたいし、友だちとハグしたいけど、もう少しガマンします。
ゆきぽよ
1996年、神奈川県出身。本名、木村有希。父親は日本人で、母親はフィリピン人とスペイン人のハーフ。2012年、雑誌『egg』の読者モデルとしてデビュー。動画配信サービスのVineでは6000万回の再生回数を記録し、「動画クイーン」に。17年、恋愛リアリティ番組「バチェラー・ジャパン」に参加し、大ブレイク。バラエティ番組にも多数出演。現在、日本医師会「うつさない! うつらない!」キャンペーン感染防止サポーターを務める。

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