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さくらい よしこ
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリストとして活躍。国家基本問題研究所理事長。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中央公論社)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『日本の危機』(新潮社)など一連の言論活動で菊池寛賞受賞。第26回正論大賞受賞。

種をまいてくれた

 増上寺で行われた安倍総理の葬儀で、喪主を務めた昭恵夫人は吉田松陰の「留魂録」を引用しながら挨拶しました。

「10歳には10歳の春夏秋冬があり、20歳には20歳の春夏秋冬、50歳には50歳の春夏秋冬があります。父・晋太郎さんは総理目前に倒れたが、67歳の春夏秋冬があったと思う。主人も、政治家としてやり残したことはたくさんあったと思うが、本人なりの春夏秋冬を過ごして、最後、冬を迎えた。種をいっぱいまいているので、それが芽吹くことでしょう」

 全国各地に設けられた献花台には、連日のように長蛇の列ができています。これほど大勢の人々が1人の政治家の死を悼むというのは前代未聞ですが、献花の列には若者の姿が目立ちました。昭恵夫人がおっしゃるように、安倍総理がまいた種はたしかに芽吹き始めています。そして、今後も豊かに育っていくでしょう。

 日本国内の新聞・テレビは安倍総理を正しく評価していません。そんななか、若い世代の方たちは既存のメディアに頼ることなく、ネットを駆使して客観的な情報を収集しています。彼らが安倍総理に敬意を払っているのは、その功績をよく知っているからです。

 私の友人のご子息も、安倍総理のことが大好きだったそうです。彼は医学部を卒業した若い医師ですが、新聞やテレビはあまり見ない世代です。典型的な現代の若者ですが、安倍総理が凶弾に倒れたとき、とてつもないショックを受けた。そのとき初めて、安倍総理を心から尊敬していたことに気づいたといいます。(続きは本誌にて!)
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◎『WiLL』2022年9月特集号目次「安倍晋三元総理 追悼大特集 ―死の壮絶とその志―」
櫻井よしこ 安倍元総理は日本の誇り/百田尚樹・井沢元彦 死者にムチ打つ「朝日」の品性/菅 義偉 今こそ安倍晋三の出番/岩田 温「同じ空気を吸いたい」菅前総理がみせた誠意/高市早苗 誓います 安倍元総理への恩返し/ 
小川榮太郎 慟哭(どうこく)いまだ止まず 日本の砦(とりで)となった人/谷口智彦 G7首脳 伊勢神宮表敬の快挙/門田隆将・有本 香 中国覇権に立ちはだかった「自由の守護神」/阿比留瑠比・髙橋洋一 財務官僚と朝日を相手に一歩も引かず/藤井厳喜・古田博司 左派メディア、リベラル教授も加担 安倍元総理を殺害した〝悪意の銃弾〟/谷本真由美 エリザベス女王「安倍さんは私たちの仲間です」/加藤康子・江崎道朗 冷やメシ覚悟で立ち上げた歴史研究会/齋木昭隆 拉致「一時帰国」を一蹴した安倍さん/河野克俊 誇らしい最高指揮官/藤井 聡 死の直前、安倍さんの闘志「次は絶対やりますよ」/陳 銘俊 安倍元総理は台湾の永遠の友人/井上和彦・佐々木 類 日本の宝が奪われた/朝香 豊・茂木 誠 安倍亡きあと 自民「リベラル」化を憂う/有馬哲夫〝敵〟にも信頼された安倍さん/小野寺まさる・長尾たかし 中川さんも安倍さんも〝マスコミに殺された〟/白川 司 称賛の嵐 世界の首脳が寄せた追悼の辞、安倍政権 七つの偉業/編集部 グラビア特集 安倍晋三メモワール

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