【安積明子】続・4.25参院補選:相も変わらぬ「選挙は...

【安積明子】続・4.25参院補選:相も変わらぬ「選挙は勝てばよい」の人々

 4月25日に投開票される参議院補選は、4月8日に公示されます。広島補選で立憲民主党は3月16日に宮口治子さんの推薦を決定したのですが、この宮口さん。なかなか評判がよろしいようで…。というのも、宮口さんはフリーランスのアナウンサーですが、障害を持つお子さんを育てつつ、「ヘルプマーク」の普及活動に取り組むシングルマザー。しかも上京時に一度会ったことがありますが、笑顔がとても素敵なんですよ!自民党側から「河井案里とイメージが正反対」と言われているほどですから。

 それゆえでしょうか。宮口さんは、それまで大きくリードしていた自民党公認で経済産業省出身の西田英範さんにかなり追いつきつつあるとか。参議院選は17日間の長期戦ですから、20ポイント差くらいあっても逆転する可能性はゼロとはいえません。しかも広島県を本拠地とする宏池会の岸田文雄会長にとって、ここで劣勢になったら、次期総裁選に悪影響を及ぼしかねない。要するに、これは単なる補選ではないということです。
twitter (5449)

宮口治子氏
via twitter
 同時に行われる長野補選も、重要な側面を含んでいます。というのも、野党が推す羽田次郎さんに対して、国民民主党が再度推薦するのかどうかが注目だからです。

 国民民主党はいち早く羽田さんを推薦していましたが、その後で共産党と「安保法制の廃止」を明記した政策協定を結んでいたことが発覚したため、取消しました。希望の党を源流にする国民民主党としては、容認できませんからね。

 しかし2017年の衆議院選では羽田さんだって、東京ブロックで比例単独で希望の党から出馬したんですけどね。小選挙区はもらえなかったけれど。にもかかわらず、国家観にかかわる安保法制についていつの間にか「廃止」に転向だなんて、いくら当選のために共産党の支持が必要といっても、いい加減すぎませんか?(前回記事参考)

 そして何よりいい加減なのは、4月1日の玉木雄一郎代表会見で明らかになった「お兄さん(故・雄一郎氏)が仲間だったから、次郎さんを推薦した」という国民民主党の態度ですよ!
youtube (5451)

選挙は勝てばよい?
via youtube
 正確に言えば、(羽田)雄一郎氏はかつて仲間だったかもしれませんが、立憲民主党に合流。ですから全くの「別の党の人」です。フランス革命で唱えられた博愛主義は麗しいかもしれませんが、それが情実主義になれば世襲制など政治を歪める原因になりかねない。もっとも「選挙は勝つことが第一。そのためにはやり方を選ばない」という意見もあるでしょうが、勝利のために政治不信を生んじゃいけませんわ。

 ということで、長野補選について激しく批判しているカメラマンの堀田喬さんの意見をちょっとは聞くべきですよ。50年以上も永田町のリアルを見てきた目は、まだまだ老いてはいませんよ、ねえ堀田さん。
 (5447)

安積 明子(あづみ あきこ):ジャーナリスト
兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
1994年、国会議員政策担当秘書資格試験合格。参議院議員の政策担当秘書として勤務の後、執筆活動を開始。夕刊フジ、Yahoo!ニュースなど多くの媒体で精力的に記事を執筆している。

関連する記事

関連するキーワード

投稿者

この記事へのコメント

コメントはまだありません

コメントを書く