「モラハラ」との批判を受けたコメント
2020年11月13日、秋篠宮家の眞子内親王が、現在のお気持ちを手記として公表された。そこには、婚約の儀式が延期されている小室圭さんへの想いが次のように述べられていた。
「私たち2人がこの結婚に関してどのように考えているのかが伝わらない状況が長く続き、心配されている方々もいらっしゃると思います。また、様々な理由からこの結婚について否定的に考えている方がいらっしゃることも承知しております。しかし、私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」
これまで、ネットなどには「事実上の破談」「別れのタイムリミットがあと6か月」など様々な情報が飛び交っていたが、眞子内親王の手記からは、現在も小室さんとの関係は続いており、何より結婚に向けたご意志は固いことが明らかとなった。
しかし、このことで、ネット上では、小室さんへの反発や批判が更に噴き出すことになってしまった。これまでも、小室さんに対する風当たりは強かった。小室さんの母親・佳代さんと元・婚約者の男性との金銭問題、また父親や父方家族の自殺が「結婚に反対する理由」としてよく挙げられてきた。特に、金銭問題への批判が強いと言えよう。
こうした一般の人々の声を、一部の識者は「モラハラ」と定義し、非難する。モラルハラスメントー「倫理や道徳に反した嫌がらせ」のことである。もちろん中には、名誉毀損のような、心ないコメントもあるのかもしれない。そうしたコメントは論外であるが、私は、記事に寄せられた様々な多くのコメントを読んできたが、その中には、まっとうな小室さん批判というものも多数あるように思った。それは、批判というよりは、眞子内親王のことを心配しているからこその言葉であるように感じるのだ。
例えば「皇室とかしがらみとかいっさい抜きにして、女性として、人間として(筆者註=小室圭さんと)結婚しないほうがいいよと止めたい気持ち」とのコメントもそうだろう。
小室さんの母親の金銭トラブルや、父親および父方家族の自殺を「彼の家族の話であり、小室さん本人がしてきたことではありません」と、ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏は言う(「小室さんはふさわしくない」眞子さまの気持ちを無視するモラハラ人間が多すぎる」『プレジデントオンライン』2020年11月19日)。
確かに、父親や父方家族の自殺は、不幸な出来事であり、誰が悪いわけでもない。
「私たち2人がこの結婚に関してどのように考えているのかが伝わらない状況が長く続き、心配されている方々もいらっしゃると思います。また、様々な理由からこの結婚について否定的に考えている方がいらっしゃることも承知しております。しかし、私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」
これまで、ネットなどには「事実上の破談」「別れのタイムリミットがあと6か月」など様々な情報が飛び交っていたが、眞子内親王の手記からは、現在も小室さんとの関係は続いており、何より結婚に向けたご意志は固いことが明らかとなった。
しかし、このことで、ネット上では、小室さんへの反発や批判が更に噴き出すことになってしまった。これまでも、小室さんに対する風当たりは強かった。小室さんの母親・佳代さんと元・婚約者の男性との金銭問題、また父親や父方家族の自殺が「結婚に反対する理由」としてよく挙げられてきた。特に、金銭問題への批判が強いと言えよう。
こうした一般の人々の声を、一部の識者は「モラハラ」と定義し、非難する。モラルハラスメントー「倫理や道徳に反した嫌がらせ」のことである。もちろん中には、名誉毀損のような、心ないコメントもあるのかもしれない。そうしたコメントは論外であるが、私は、記事に寄せられた様々な多くのコメントを読んできたが、その中には、まっとうな小室さん批判というものも多数あるように思った。それは、批判というよりは、眞子内親王のことを心配しているからこその言葉であるように感じるのだ。
例えば「皇室とかしがらみとかいっさい抜きにして、女性として、人間として(筆者註=小室圭さんと)結婚しないほうがいいよと止めたい気持ち」とのコメントもそうだろう。
小室さんの母親の金銭トラブルや、父親および父方家族の自殺を「彼の家族の話であり、小室さん本人がしてきたことではありません」と、ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏は言う(「小室さんはふさわしくない」眞子さまの気持ちを無視するモラハラ人間が多すぎる」『プレジデントオンライン』2020年11月19日)。
確かに、父親や父方家族の自殺は、不幸な出来事であり、誰が悪いわけでもない。
「金銭問題」は他人事か
しかし、金銭問題はどうであろうか。佳代さんの元・婚約者が貸した金額は400万円を超え、しかも貸したお金は、その元・婚約者の証言によると「圭君の大学の学費や留学費用」にも使われていたというのだ(「小室圭君と母が私に送ってきた6通のメール元婚約者が明かす」『現代ビジネス』2018年3月6日)。実際に借りたのは佳代さんだったかもしれないが、こうなると、小室圭さんも全くこの件と無関係という訳でもなくなるのではないか。
金銭は贈与だったのか、貸されたものだったのか、その真相は私には知るよしもないが、しかし、先程の『現代ビジネス』の記事によると、佳代さんが、元・婚約者に送信したメールに「当分の生活費をお借りしても良いでしょうか」「いつも助けて頂くばかりで感謝です」と記されており、このメールが本物であるならば、佳代さん自身も、借りているお金と認識していたということだ。小室さん側は金銭問題は「解決済」と主張しているようだが、こうした金銭トラブルがあったからこそ、秋篠宮文仁親王も「結婚したいという気持ちがあるのであれば、それ相応の対応をすべきだ」(2018年11月)と仰せになっていたのである。
だが、それ相応の対応は現時点までになされることはなく、金銭問題は解決されていない。今回の眞子内親王の手記公表を受けて、元・婚約者の男性は「(自分と小室さんの母親の)金銭問題とご結婚は別問題でコメントする立場ではないが、結婚の障害になっているのであれば心苦しく思っている」とコメントされていた。しかし、多くの国民は、金銭問題とご結婚は別問題と考えていないのではないか。
2019年1月に小室さんが公表した文書には「今後は元婚約者の方からご理解を得ることができるよう努めたい」と書かれていたようだが、小室さんは渡米し帰国もしておらず、元・婚約者には何の連絡もないようだ。当然、金銭問題に対する話も進んでいない。こうした不誠実に見える態度が、多くの一般国民の反発を受け、ネット上の批判へとつながっているのではないか。
では、小室圭さんはどうするべきだったのか。金銭問題の件が、ここまで大きな問題となり、結婚の障害になっているのならば、母親と共に、元・婚約者なりその代理人の弁護士と、先ずはじっくりと誠実に話し合う。その上で(借りたか、贈与されたかはここでは別にして)、もしお金を返すことに決まったのならば、一歩一歩でも良いから、その元・婚約者に母と共に幾分かのお金を返していく。そうしていれば、ここまでの国民の反発は招かなかったのではないか。
私と似たようなコメント(例えば、親が作った借金であっても、小室氏の進学のために使われたお金であり、親が返す必要がないと言い張ったとしても、道義的には小室氏が返済するべきものとも言えますし。そもそも貸してくれた人と、ちゃんと話し合ってもいない)もあったが、これはモラハラコメントであろうか。「不誠実に見える小室さんと結婚して眞子様は大丈夫であろうか」「皇室に悪影響はないであろうか」と言う国民の心配と、皇室を慕う心が、ネット上でのコメントとなり表出しているのだと私は思う。
コラムニストの尾藤克之氏は「小室さんに関する報道に違和感を覚えていました。出自や家族のこと、キャリアを否定し、ニューヨーク州弁護士資格を取ったところで、米国で弁護士として活躍することは困難だという言葉も並びました。さらには、眞子さまの一時金をあてにして使うとか、夫であることを利用して金集めをして食いつないでいく…など批判は目に余るものがありました」(「小室圭さんを批判できる人などいない 皇室へ「あるべき論」を押し付ける権利はない」『オトナンサー』2020年10月17日)と述べられている。
確かに「出自や家族のこと、キャリアを否定」するような報道は良くないし、「一時金をあてに」など憶測でものを言うことも、できるだけ慎まなければいけない。しかし、小室さんのとっている行動が、国民にそのように見えてしまうこと、見られていることに問題の本質があるようにも思うのだ。
金銭は贈与だったのか、貸されたものだったのか、その真相は私には知るよしもないが、しかし、先程の『現代ビジネス』の記事によると、佳代さんが、元・婚約者に送信したメールに「当分の生活費をお借りしても良いでしょうか」「いつも助けて頂くばかりで感謝です」と記されており、このメールが本物であるならば、佳代さん自身も、借りているお金と認識していたということだ。小室さん側は金銭問題は「解決済」と主張しているようだが、こうした金銭トラブルがあったからこそ、秋篠宮文仁親王も「結婚したいという気持ちがあるのであれば、それ相応の対応をすべきだ」(2018年11月)と仰せになっていたのである。
だが、それ相応の対応は現時点までになされることはなく、金銭問題は解決されていない。今回の眞子内親王の手記公表を受けて、元・婚約者の男性は「(自分と小室さんの母親の)金銭問題とご結婚は別問題でコメントする立場ではないが、結婚の障害になっているのであれば心苦しく思っている」とコメントされていた。しかし、多くの国民は、金銭問題とご結婚は別問題と考えていないのではないか。
2019年1月に小室さんが公表した文書には「今後は元婚約者の方からご理解を得ることができるよう努めたい」と書かれていたようだが、小室さんは渡米し帰国もしておらず、元・婚約者には何の連絡もないようだ。当然、金銭問題に対する話も進んでいない。こうした不誠実に見える態度が、多くの一般国民の反発を受け、ネット上の批判へとつながっているのではないか。
では、小室圭さんはどうするべきだったのか。金銭問題の件が、ここまで大きな問題となり、結婚の障害になっているのならば、母親と共に、元・婚約者なりその代理人の弁護士と、先ずはじっくりと誠実に話し合う。その上で(借りたか、贈与されたかはここでは別にして)、もしお金を返すことに決まったのならば、一歩一歩でも良いから、その元・婚約者に母と共に幾分かのお金を返していく。そうしていれば、ここまでの国民の反発は招かなかったのではないか。
私と似たようなコメント(例えば、親が作った借金であっても、小室氏の進学のために使われたお金であり、親が返す必要がないと言い張ったとしても、道義的には小室氏が返済するべきものとも言えますし。そもそも貸してくれた人と、ちゃんと話し合ってもいない)もあったが、これはモラハラコメントであろうか。「不誠実に見える小室さんと結婚して眞子様は大丈夫であろうか」「皇室に悪影響はないであろうか」と言う国民の心配と、皇室を慕う心が、ネット上でのコメントとなり表出しているのだと私は思う。
コラムニストの尾藤克之氏は「小室さんに関する報道に違和感を覚えていました。出自や家族のこと、キャリアを否定し、ニューヨーク州弁護士資格を取ったところで、米国で弁護士として活躍することは困難だという言葉も並びました。さらには、眞子さまの一時金をあてにして使うとか、夫であることを利用して金集めをして食いつないでいく…など批判は目に余るものがありました」(「小室圭さんを批判できる人などいない 皇室へ「あるべき論」を押し付ける権利はない」『オトナンサー』2020年10月17日)と述べられている。
確かに「出自や家族のこと、キャリアを否定」するような報道は良くないし、「一時金をあてに」など憶測でものを言うことも、できるだけ慎まなければいけない。しかし、小室さんのとっている行動が、国民にそのように見えてしまうこと、見られていることに問題の本質があるようにも思うのだ。
「一時金」の是非
そして金銭問題とともに、大きな関心になっているのが、ご結婚される時に、税金を原資とした一時金のことである。その額は、1億を超えるとも言われている。そのことがまた「国民の血税が借金返済に充てられるなんてことがあっては絶対ならない」などと批判の対象になっている。疑惑が疑惑を呼び、負の連鎖になっている感がある。
このような中で、もし将来、ご結婚ということにでもなれば、皇室にも悪影響があるのではないか、批判が向けられるのではないか。皇室の安泰を願う私としては、そのことも心配の種なのだ。皇室への悪影響を遮断するには、そしてお2人が国民から祝福されるご結婚をするには、様々な方法があるだろう。
1つは、金銭問題の解決。
2つは、一時金を賜ることを辞退する(もしくは大幅な減額)。
この2つのことを実行するだけでも、国民の疑惑や不信感はかなり緩和されるのではないか。また、お2人を皇室行事に参加させないなどの強い姿勢も、場合によっては必要かもしれない。
このご結婚問題に、天皇制廃止論者が(もちろん、そのことを隠して)首をつっこんできて、言論で、皇室の尊厳を傷付ける行為に出ることも十分警戒しなければならない。私の前述の2・3の提言は、いざと言う時に、皇室を批判から守る策である。
「自分はプリンセス・マコのフィアンセだ」と自己アピールしたことが、小室さんが米国留学の際に、授業料を全額免除する奨学金を受けることができた大きな理由だとも言われている(「小室圭さん 眞子さまと結婚で得る大金と天皇の義兄の座」『ポストセブン』2020年11月20日)。ましてや、小室さんは将来の天皇陛下の義兄になるかもしれないのだ。
ご結婚するならば、小室さんにはその自覚をもって行動して頂きたい。小室さんのことを道鏡(奈良時代の僧侶。女帝の称徳天皇に取り入り、皇位を狙ったとされる)という人もいるが、そう呼ばれるようではいけないのだ。
前述のコラムニストのサンドラ・ヘフェリン氏は「好きな人と結婚するのが1番」と言う。私もそう思う。眞子内親王そして小室さんが、お互いのことをお好きであるならば、ご結婚されるのが1番だし、私はお2人の末長い幸せを願っている。そして、多くの国民の祝福を受ける形でご結婚して頂きたいと祈っている。
このような中で、もし将来、ご結婚ということにでもなれば、皇室にも悪影響があるのではないか、批判が向けられるのではないか。皇室の安泰を願う私としては、そのことも心配の種なのだ。皇室への悪影響を遮断するには、そしてお2人が国民から祝福されるご結婚をするには、様々な方法があるだろう。
1つは、金銭問題の解決。
2つは、一時金を賜ることを辞退する(もしくは大幅な減額)。
この2つのことを実行するだけでも、国民の疑惑や不信感はかなり緩和されるのではないか。また、お2人を皇室行事に参加させないなどの強い姿勢も、場合によっては必要かもしれない。
このご結婚問題に、天皇制廃止論者が(もちろん、そのことを隠して)首をつっこんできて、言論で、皇室の尊厳を傷付ける行為に出ることも十分警戒しなければならない。私の前述の2・3の提言は、いざと言う時に、皇室を批判から守る策である。
「自分はプリンセス・マコのフィアンセだ」と自己アピールしたことが、小室さんが米国留学の際に、授業料を全額免除する奨学金を受けることができた大きな理由だとも言われている(「小室圭さん 眞子さまと結婚で得る大金と天皇の義兄の座」『ポストセブン』2020年11月20日)。ましてや、小室さんは将来の天皇陛下の義兄になるかもしれないのだ。
ご結婚するならば、小室さんにはその自覚をもって行動して頂きたい。小室さんのことを道鏡(奈良時代の僧侶。女帝の称徳天皇に取り入り、皇位を狙ったとされる)という人もいるが、そう呼ばれるようではいけないのだ。
前述のコラムニストのサンドラ・ヘフェリン氏は「好きな人と結婚するのが1番」と言う。私もそう思う。眞子内親王そして小室さんが、お互いのことをお好きであるならば、ご結婚されるのが1番だし、私はお2人の末長い幸せを願っている。そして、多くの国民の祝福を受ける形でご結婚して頂きたいと祈っている。
濱田 浩一郎(はまだ こういちろう)
1983年、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員・姫路日ノ本短期大学講師・姫路獨協大学講師を歴任。現在、大阪観光大学観光学研究所客員研究員。現代社会の諸問題に歴史学を援用し迫り、解決策を提示する新進気鋭の研究者。著書に『日本人はこうして戦争をしてきた』、『日本会議・肯定論!』、『超口語訳 方丈記』など。
1983年、兵庫県相生市出身。歴史学者、作家、評論家。皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員・姫路日ノ本短期大学講師・姫路獨協大学講師を歴任。現在、大阪観光大学観光学研究所客員研究員。現代社会の諸問題に歴史学を援用し迫り、解決策を提示する新進気鋭の研究者。著書に『日本人はこうして戦争をしてきた』、『日本会議・肯定論!』、『超口語訳 方丈記』など。